ふれあいコラム Vol.14「乙酉(きのととり)は一陽来復の年」

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 新年明けましておめでとうございます。
 本年も、「ふれあいコラム」ご愛読の程お願い申しあげます。
 今年は、昨年とは打って変って、「災い転じて福と為す」年としたいものです。

 干支は、乙酉(きのととり)。「乙」とは、灌木、柔らかい草木を意味し軋む(きしむ)意味もあり、草木がまだ伸び出せずに、屈曲している状態。また、「酉」は縮む意味で、万物が成熟しきって、むしろ縮む状態を指すと言われています。
 景気の後退と、近隣諸国との軋轢が、顕著になっている状況にあって、60年に1回の乙酉年(平成17年)は、どのようになるのでしょうか。

 国の借金が、730兆9800億円(平成16年9月末)、国民一人当たり572万円。国内総生産(GDP)の約1.4倍。年末に、気の遠くなる数字が発表されました。
 国は、この財政危機を、「税制改正」の名のもとに、所得税・個人住民税の定率減税縮小、化石燃料に課税する環境税導入、そして、社会保障財源を補うため、消費税率アップ等を目論んでいるようです。

 著名な経済学者の予測によると、平成20年頃までに、消費税は、少なくとも3%アップが必要とか、その間、日本経済の成長率は、2%程度で推移しなければならないとも言っています。しかし、原油価格の高止まりや米国経常収支の赤字等、不安定要素がたくさんあります。

 今年は、戦後60年にあたり、政治経済面でも大きな節目となりそうです。4月には、ペイオフ全面解禁があり、弱小金融機関の再編が加速されそうな情勢、10月には、三菱東京ファイナンシャルGとUFJホールディングスの統合を控えています。経済の変動サイクルからも、60年サイクルで変動する「コンドラチェフの波」というものがあり、一回り前の昭和20年(1945年)「乙酉」を起点として、岩戸景気、いざなぎ景気の成長期、2度のオイルショック、プラザ合意の調整期、そして、バブル崩壊という衰退期を経て、1サイクル回ったことになります。

 平成17年「乙酉」は、万物が成熟しきって縮む状態。あと少し、このような状態が続くと思いますが、「一陽来復」、お日様が顔を出してくれるのを待つのみ。今年後半あたりから、再び「コンドラチェフの波」に乗って、成長期に入ってくれればと祈っております。

                                                     (化石)