ふれあいコラム Vol.12「ビールが売れた社員が育った!」

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 「04年6月中間連結決算の業績見通しを上方修正」という記事が目に飛び込んで来た。
当初、赤字予想の業績が黒字転換、しかも過去最高を見込むというものでした。皆さんも既にご存知でしょうが、
麦芽も麦も使用しないエンドウ豆たんぱくを使用した次世代型アルコール飲料の商品化に成功したサッポロビー
ルのことです。 
 ビールでも発泡酒でもないエンドウ豆のたんぱくで作った第3のビールが売れているのです。ビール酒造組合
の発表によると、ビールと発泡酒の売上は前年度より6.4%減(1月−6月)で3年連続減、一方、この第3のビール
は発売から僅かの期間でビールと発泡酒の5%(1040万4千ケース)にまで達しています。
  
 第3のビールは酒税負担も軽く、酒税法上、その他雑酒Aに分類され350mlあたり24.2円の税額で、ビール
77.7円、発泡酒46.99円に比べると格段に節税商品。シェアにも影響が出ており、前年同期比、アサヒ41.7%
(+2.5%)、キリン35.7%(△0.1%)に対し、ビール、発泡酒、第3のビール合わせると、サッポロ14.8%(+1.5%)と業績
の建て直しに大きく貢献しています。
    
 この第3のビールを開発したのは、弱冠41歳の若い研究員です。会社の命運をかけて、麦芽も麦も使用しない
エンドウ豆たんぱくを使用した次世代型アルコール飲料開発に着手したのは99年、30代後半でした、さぞプレッ
シャーがかかったと思います。中堅社員の活躍で会社の業績が大きく変わる。
   
 その実例として参考にする点が多々あります。会社はテーマ(目標・励み)を与え、考えさせ答えを見つけ出さ
せる(有意義な日々・達成感)。そして可能性と潜在能力を信じ、能力を最大限引き出すためサポートに回る。
  
 変化の早い時代、指示待ち社員だけでは世の中に遅れをとってしまいます。会社の期待に応えられる人材と
は、この局面で自分ができることは何か、スピーディに考え即行動に移せる人だと考えます。身近な所にも人材
が埋もれています。叱咤激励だけでなく後輩や部下を育ることを試みてはいかがでしょうか。
  
                                                       (化石)